今回はyossyが個人的に2015年8月に読んだ書籍(小説・エッセイ)を一気にまとめてご紹介しようかなと。
もともと、フィクションの小説とかって全然読んでこなかったんですが、又吉さんの火花を読んで以降、ミーハーながら小説の楽しさが少しだけ分かった気がして、最近は割と小説やエッセイを買って読むようになってきた今日このごろ。ドトール・図書館あたりでごろごろ(笑)
東京百景 (ヨシモトブックス) – 又吉 直樹
火花を読んで、又吉さんの書く文章だったり、物事をとらえる視点・考え方に興味を持ちました。
何気に本屋に立ち寄ったら、火花の隣りに前作(2014年出版)であるこの『東京百景』がおいてあって、本のタイトルと本の背表紙のデザインのクールさに惹かれて、CDじゃないけどジャケ買いしてしまった一冊です。
火花は純文学小説でしたが、この東京百景は又吉さんの東京を舞台にした自伝的エッセイです。
高校卒業後、お笑い芸人になるために東京に上京した又吉さんが10数年にわたって体験した東京での場所(風景)を、その場所にかかわる自身のエピソードと絡めて書き綴った100個のストーリーが描かれています。
どのストーリーもおもしろいですが、その中でもあえてマイベスト5をあげるなら、「#57 下北沢CLUB Queの爆音と静粛」「#60 井の頭公園」「#61 阿佐ヶ谷の夜」「#76 池尻大橋の小さな部屋」「#83 スカイツリー」が、個人的には好きですね。
別に何の変哲もない日常のヒトコマを切り取っても、モノの捉え方・視点・想像力次第でこんな風に楽しめるものだな、と改めて感心しました。
あと、自分自身がこのブログで記事を書くようになって、文章の書き方・伝え方・表現の点でも、又吉さんの文章は参考になる点が多々あって、勉強にもなりました(^_^.)
第2図書係補佐 – 又吉 直樹
すいません。またしても、又吉さんの本です。最近、自分は又吉さんに非常に興味がある模様です。
文章の書き手という側面とは別に、同時に無類の読書家である又吉さんのおすすめ本が気になって買った一冊です。
火花と東京百景よりも前(2011年)に出版されているエッセイ本なんですが、又吉さんがこれまでに読んできた多くの書籍の中から特におすすめな本(主に小説・エッセイ)が47点程紹介されています。
おすすめ本の紹介の仕方が、本の内容を直接的に論評・考察すると手法ではなく、東京百景のように又吉さん自身がその本にまつわる自身のエピソードが書かれていて、そのエピソードに絡めた間接的な本の紹介の仕方が何か新鮮で、押しつけがましくなくて又吉さんらしいな、と思いました。
この本で紹介されていて読みたいなぁと思った本は何冊もあったので、時間がある時に買ってまた読んでいこうかなって思ってます。
とりあえず、西加奈子さんの炎上する君は購入したので、今月読もうかなと思ってます(^_^.)
サラバ! 単行本 – 西 加奈子
アメトークの読書芸人でもおすすめ本として取り上げられていた西加奈子さんの上下2巻の長編小説『サラバ!』です。
ちなみにサラバ!は第152回直木賞受賞作、2015年本屋大賞2位の賞を取った本でもあります。
ストーリーの概要は、主人公の圷歩(37歳)が自身の半生を生まれた時から現在に至るまでを振り返るストーリー。
父の仕事の関係で海外転勤のある一家に生まれた主人公の歩はイランで生まれて、大阪に引っ越して、エジプトに引っ越して、また大阪に引っ越してという幼少期・小中高校時代を過ごし、高校卒業と同時に家族・地元から逃げるように歩は東京の大学へ進学して、大学卒業後、フリーのライターとして生きていく人生を送ることになるわけですが。。
幼少期から周りの空気を読む能力が高くて、持ち前の端麗な顔立ちで、周りからも人気があったし、何でもそつなく器用にこなしてきた歩が、20代後半から人生転げ落ちるようにどんどん惨めで悲惨になっていく姿が本当に滑稽で、悲しいを超えて笑えるほどでした。
幼少期からずっと歩にとって関わりを避けてきたトラブルメーカーの姉が世界中を旅した末に”自分自身の信じるべきもの”を探し出して、歩へ送るアドバイスがとてもインパクトのある言葉でした。
『私が信じるものは、私が決めるわ。』
『あたたも、信じるものを見つけなさい。あたなだけが信じられるものを。他の誰かと比べてはだめ。もちろん私とも、家族とも、友達ともよ。あなたはあなたなの。あなたは、あなたでしかないのよ。』
『あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。』
歩は周りの空気を読んで、周りの人達がこう思うから、これをしよう。これはしない。という自分の意思で物事を決定する能力が欠落してしまっていて、自分自身の本当の感情(仕事・家族・恋愛全てにおいて)をひた隠しに抑え込んでしまっていたために、20代後半から人生の歯車が狂いだして、転落していきます。
最後に、小学生時代の親友のエジプト人のヤコブにとエジプトで会う事をきっかけに自分自身が本来やりたい事を、信じるものをようやく見つける事ができて、自分自身の半生を振り返る小説を書くという決断をして、書き上げたのがこの作品になるわけですが。
いろんな人がこの”サラバ!”を大絶賛する理由も納得しました。とても面白かったです。
武道館 – 朝井 リョウ
ちなみに今、自分が読んでいる本は、yossyの同郷、岐阜県出身の作家の朝井リョウさんの『武道館』を読んでます。
朝井リョウさんの何者が読んだら今の時代を風刺した痛快さではまったので、朝井リョウさんの新書ということで先日購入して今読んでいるところです。
ちなみに朝井さんがやっているラジオ『朝井リョウ、加藤千恵のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送 金曜AM3時~)も相当に面白いですね。
朝井さんは精神が病んでいるというか、心に深い闇をお持ちの方なのかもしれませんね(笑)
加藤さんのパーティー野郎っぷり、プチセレブ感は若干鼻につきますけども(笑)あさひかわっしょい。