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ナツイチ2017~おすすめ文庫本まとめ(全99作品)~

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先日、本屋さんに行ったら今年(2017年)も集英社文庫の「夏の一冊フェア」こと「ナツイチ」の本フェアーがいつの間にやら始まっていたようでして。
ナツイチに関しては、去年(2016年)も一昨年も(2015年)も当ブログの記事で取り上げてきたので、今年(2017年)も遅ればせながらですが、またピックアップしてみたいと思います。
学生さんも社会人の皆さんも、暑い夏に読書体験で最高の1冊を探してみては(^^)/

目次

ナツイチ2017期間限定特典は「よまにゃリバーシブルブックカバー」

ちなみにナツイチ2017の期間中(2017/6/28~8/31)にフェア参加書店で本を一冊買うと、その場でナツイチのマスコットキャラクターの”よまにゃ”の「リバーシブルブックカバー」が貰えるみたいです。この猫ちゃんのキャラクターです↑
この”よまにゃん”は「読書が大好きな集英社文庫の新しいキャラクター」らしいんですが、なかなかユルカワで可愛らしいですな。
せっかくなので、自分もナツイチ期間中に本屋さんで本を購入してリバーシブルブックカバーのゲット計画を画策中な今日このごろ。
今年はどんな本を買って読もうかな~(^^)/

ナツイチ2017 対象文庫の全ラインアップ

というわけで、早速、ナツイチ2017の対象文庫ラインアップを全部まとめて紹介していきたいと思います。今回もナツイチ側が分かりやすく用意してくれた目的ジャンル別に本を紹介していきますね。今年は全99作品です。
(※本の紹介文は「BOOK」データベースを引用しています)

青春本(19冊)

昼下がりの保健室。そこは教室に居場所のないサエとナツのささやかな楽園だった。けれどサエが突然“自分のクラスに戻る”と言い出して―(『ねぇ,卵の殻が付いている』より)。“お父さん、お母さん、先立つ不孝をお許しください”。早朝の教室で毎日手帳に書いていた架空の遺書。その手帳を偶然にも人気者の同級生が拾ってしまう―(『死にたいノート』より)。揺れ動く6人の中学生の心を綴る6つのストーリー。

田舎の県立高校。バレー部の頼れるキャプテン・桐島が、理由も告げずに突然部活をやめた。そこから、周囲の高校生たちの学校生活に小さな波紋が広がっていく。バレー部の補欠・風助、ブラスバンド部・亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部ユーレイ部員・宏樹。部活も校内での立場も全く違う5人それぞれに起こった変化とは…?瑞々しい筆致で描かれる、17歳のリアルな青春群像。第22回小説すばる新人賞受賞作。

恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく…。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。

美容師の美咲に恋をした晴人。彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指すことに。そんな晴人に美咲も惹かれ、やがて二人は恋人同士になる。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまったのだった。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は…。桜のように儚く美しい恋の物語。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。

東京の強豪中学バレー部でトラブルを起こした灰島公誓は、母方の郷里・福井に転居し、幼なじみの黒羽祐仁と再会する。ほとんど活動も行われていないバレー部で、一人黙々と練習を始める灰島だが…。ずばぬけた身体能力を持つがヘタレな黒羽と、圧倒的な情熱と才能ゆえに周囲との軋轢を引き起こす問題児・灰島を中心に、田舎の弱小バレー部の闘いが始まる!純粋で真っ直ぐな青春小説、誕生。

1971年春、函館にある憧れの私立高校に入った僕は、親元を離れ寮生活を始める。街の景色、同級生、音楽、出会うもの全てが刺激的で、期待に胸を膨らませていたが、入学早々、「寮の恒例行事“入魂会”に関わったものは死ぬ」という噂を耳にした。するとそのわずか二日後、寮の二年生が謎の転落死を遂げる。事件と噂の真相を探るため、僕たち一年生は探偵団を結成して―。青春学園ミステリー。

恋に恋する女の子のささやかな成長。家出した少女の冒険と、目の当たりにした社会の現実。早熟な少年が抱く不安と、それをほぐす少女のやさしさ。―人気作家が「少女」をキーワードに綴った傑作短編9編を収録。多感な時期の憂しやときめき、ときに切ない気持ち。そしてそれらの先にある成長を、思い出のアルバムをめくるように楽しんでください。それぞれの作家の魅力も体感できる贅沢な一冊。

人気作家の贅沢な競演。少年をテーマに綴られた短編作品9編を収録したアンソロジー。

個性あふれる作家陣が、大人への階段を上ろうとする人生の一瞬を鋭くとらえた短編作品集。内面から湧き出る衝動をもてあまし、人生のほろ苦さを味わいながらも大人未満のところにいる。そんな人々が集まる場所。人気作家勢揃いのアンソロジー。

友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって…。生への根源的な問いを放つ傑作長編。

県立三ッ木高校に赴任した若杉は、野球部の監督を任せられることに。初戦敗退常連チームに、野球経験のない素人監督。だが今年の選手たちは、二年生エース月谷を中心に「勝ちたい」という想いを秘めていた。やがて迎えた夏の甲子園地区予選。初戦の相手は名門東明学園。弱小チームと青年監督の挑戦が始まる…!!少年たちの熱い夏を描いた涙と感動の高校野球小説集。

結婚を控えたさくらの前に、兄を名乗る青年が突然現れた。どう見ても一回りは年下の彼は、さくらのことをよく知っている。どこか憎めない空気を持つその“おにいさん”は、結婚相手が実家で営む和菓子屋にも顔を出し、知らず知らずのうち生活に溶け込んでいく。彼は何者で目的は何なのか。何気ない日常の中からある記憶が呼び起こされて―。今を精一杯生きる全ての人に贈るハートフルストーリー。

「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていました。無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。次々と女性に関わり、自殺未遂をくり返しながら薬物におぼれていくその姿。「人間失格」はまさに太宰治の自伝であり遺書であった。作品完成の1か月後、彼は自らの命を断つ。

クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は―。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。

高校生の菓奈は人前で喋るのが苦手。だって、言葉がうまく言えない「吃音」があるから。そんな菓奈が密かに好意を寄せる真雪は、お菓子作りが得意な究極のスイーツ男子。ある日、真雪が保健室登校を続ける「保健室の眠り姫」こと悠姫子のために作ったチョコが紛失して…。鋭い推理をつまりながらも懸命に伝える菓奈。次第に彼女は、大切なものを手に入れていく。スイートな連作ミステリー。

坂下薫平19歳。首都大学の学生寮で、個性溢れる面々と楽しい日々を過ごしていた。だが、寮の取り壊しをもくろむ大学側は、元刑事の舎監・名倉を送りこみ、厳しい統制を始める。時を同じくして起こった、寮内のストーカー事件や自殺未遂騒動。だが、一つ一つのトラブルを乗り越えながら結束を固めた寮生達は、遂に大学側との戦いに立ち上がる。現代の若者達の「旅立ち」を描く、伸びやかな青春小説。

地方への転勤辞令が出た青野雅人は、恋人の佐知子から意外なことを打ち明けられた。付き合い出すずっと前、高校生のときに二人は出会っていたという。彼は、甲子園の常連・京浜高校の補欠野球部員だった。記憶を辿るうち―野球漬けの毎日、試合の数々、楽しかった日々、いくつかの合コン、ある事件、そして訣別。封印したはずの過去が甦る。青春スポーツ小説に新風を注いだ渾身のデビュー作。

僕、蓮見亮太18歳。高校時代まで筋金入りのいじめられっ子。一念発起して大学を受験し、やっと通称スカ大に合格。晴れてキャンパスライフを満喫できるはずが、いじめの主犯まで入学していた。ひょんなことから「正義の味方研究部」に入部。僕は、元いじめられっ子のプライドに賭けて、事件に関わっていく。かっこ悪くたっていい、自分らしく生きたい。そう願う、すべての人に贈る傑作青春小説。

笑いたい本(16冊)

森若沙名子、27歳、彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。最近、そんな気配のなかった同期に恋人ができて、少し迷いが生じている。ある日、営業部のエース・山田太陽が持ちこんだ領収書には「4800円、たこ焼き代」。経理からは社内の人間模様が見えてくる?

人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる―。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。

舞台は東京。地中に潜む「地霊」が、歴史の暗黒面を生きたネズミや人間に憑依して、自らの来歴を軽妙洒脱に語り出す。唯一無二の原理は「なるようにしかならぬ」。明治維新、第二次世界大戦、バブル崩壊から福島第一原発事故まで…首都・東京に暗躍した、「地霊」の無責任一代記!史実の裏側で、滅亡へ向かう東京を予言する。果てしないスケールで描かれた第50回谷崎潤一郎賞受賞作。

会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは…。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。

旗本の跡取りだが、ある事情で白猫の姿になってしまった宗太郎(通称:猫太郎)。善行を積んで元の人の姿に戻るため、裏長屋でよろず請け負い家業「猫の手屋」を営んでいる。同じ長屋に暮らす賑やかな面々と日々を過ごす彼のもとには、鼠退治から果ては幽霊供養まで、様々な依頼が舞い込んで…。奇妙奇天烈な猫のサムライが活躍する、泣いて笑えるあやかし人情時代劇、開幕。文庫書き下ろし。

イラストレーターになる夢を叶えるため、家出同然で東京へ出てきた夏実。けれど、イラストの仕事だけでは食べていけなかった。夢破れ、親に内緒で地元へ戻ってくる。ともかく、生きるためには働かねばならない。夏実は面接18社目にしてようやく、タウン誌を発行する会社の事務員として採用される。だが、そこは個性的すぎる面々が集う、超絶ブラック企業で!?

恋愛経験ゼロ。冴えない理系大学院生の森は、ある日突然恋に落ちた。相手は、卒業研究をするためにきた、黒髪メガネの年下リケジョ・羽生さん。ところが、好みド直球な彼女にはある重大な秘密が!妄想と現実に身悶えながら、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ひたすら空回り。それでも諦めきれない…。どこまでも不器用で、思わず応援したくなる、歯がゆさ満載の青春ストーリー!

「こんなにおもしろい本があったのか!」と小学生からお年寄りまでを笑いの渦に巻き込んだ爆笑エッセイの金字塔!!著者が日常で体験した出来事に父ヒロシや母・姉など、いまやお馴染みの家族も登場し、愉快で楽しい笑いが満載の一冊です。「巻末お楽しみ対談」ではもう一度、全身が笑いのツボと化します。描き下ろしカラーイラストつき。

創刊15周年をむかえる「小説すばる」に掲載された短編小説群から、よりすぐりの秀作16編を集英社文庫編集部が精選!短編の冬、といわれて久しい時代にあえて世に問う、究極のアンソロジー。

読んだその日から、ずっと忘れられないあの一編。思わずくすりとしてしまう、心が元気になるこの一編。本を読む喜びがページいっぱいに溢れるような、とっておきの物語たち。2000年代、「小説すばる」に掲載された短編作品から、とびきりの12編を集英社文庫編集部が厳選しました。

帝の寵愛を一身に受けて懐妊した、宗孝の八番目の姉・梨壷の更衣。彼女に密かに対抗心を抱く異母妹の九の姉と宗孝は連れだって稲荷社へ更衣の安産祈願に訪れるが、そこで怪しげな老巫女に声をかけられる。遠く離れて暮らす夫への不信感や不満を言い当てられ、動揺する九の姉。その夜、再び姿を現した老巫女は、「あなたさまは特別なお方」と九の姉を連れ出し…。波乱の予感のシリーズ第6弾!心躍る平安冒険譚!

「吾輩は猫である。名前はまだない。」苦沙弥先生の家に拾われた猫の「吾輩」から見れば、人間社会はこっけいそのもの。無名猫の視点から、軽妙洒脱な文体にのせて放たれる文明批評と渋いウェットは時代を超えて読者の心をつかんできた。見識とシャレ気あふれる漱石の永遠のエンターテインメント文学。

「人間は生意気なようでもやはりどこか、抜けている」苦沙弥先生の家に飼われている猫のクールな瞳から見ると矛盾だらけで平気で生きている人間も“愛嬌”。しかしある月夜、飲みさしのビールで酔った「吾輩」は…。縦横無尽の風刺とユーモアに苦いペシミズムをひそませて人々の共感を呼んだ漱石の処女作。

“「老いることは素晴らしい」…そんなことを平然と語る人たちが存在すること自体、私には信じられない。いったい何を考えているのだろう。この人たちに首はないのか?首が隠れる服を探すのに苦労したことはないわけ?”と、日常の不満、願望、妄想をつぶやいたアメリカのベストセラー・エッセイ集。抱腹絶倒、最後はしんみりの極上話を、著者が憑依したかのような、阿川佐和子の名訳でお届け!

恋愛と結婚の違いってなんだろう?お父さんはいつまで娘と一緒にお風呂に入っていいんだろう?どうして人は旅に出たくなるんだろう?男と女、人生について、仕事と趣味など、日常に潜むたくさんの“なぜ?”。くだらなすぎて今さら人に聞くのは恥ずかしい素朴な疑問に、永遠の中2たちが真正面から挑む!サブカルのカリスマと大人気脚本家によるロマンチックで下世話な哲学問答集。

物心ついた頃から“ブス”だったわたし。子供の時に参列した結婚式に憧れて、せめて誰かの幸せな瞬間を演出したいと、ウェディングプランナーの職に就いた。様々なお客様が人生の門出を祝おうとホテルを訪れる。そんなわたしが、やり手の美形上司・久世課長に求婚された!?「香澄さん、ずっと探していました。あなたのような…絶世のブスを」「はぁ!?(怒)」

泣きたい本(11冊)

娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた…。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録。日本中、150万人を感涙の渦に巻き込んだ空前のベストセラー作品集にあらたな「あとがき」を加えた。第117回直木賞を受賞。

夫との関係に悩む泉は、ある日女子高生の飛び込み自殺を止める。事情を聞いているはずが、知らず知らずのうちに自らの身の上話をしていた泉。やがて二人は魅かれ合い、お互いをかけがえのない存在だと知る。家族として共に歩むことを決意し、理想の地を求めて山里へ移り住んだタカシマ家は、母二人、子二人での生活を始めて―。たくさんの喜びを紡いだ一家の軌跡を描く、愛と再生の感動長編。

胸にあふれる、感動と共感。稀代のストーリーテラー・冲方丁が実話をもとに創作した「泣ける」ショートストーリー33篇。

「私」は、鎌倉の海で出会った「先生」の不思議な人柄に強く惹かれ、関心を持つ。「先生」が、恋人を得るため親友を裏切り、自殺に追い込んだ過去は、その遺書によって明らかにされてゆく。近代知識人の苦悩を、透徹した文章で描いた著者の代表作。

享保十三年、久留米藩領井上村。大庄屋、高松家の長男である甚八と次男の庄十郎は、父に連れられて訪れた善導寺で、何千と集まる人々の姿を目の当たりにする。「ようく見とけ。これが百姓の力ぞ」。藩主から言い渡された増税に抗議して集まる群衆。あわや一揆かと思われたそのとき、あるお達しが下り―。九州の田舎で飢餓と圧政に苦しむ百姓のために医者を志した少年の成長を描く歴史巨編。

貧富を問わず患者の看病にあたる鎮水のもとで医師修業を積む庄十郎。一方で兄の甚八は大庄屋を継いでいた。あの一揆騒動から二十六年、身を挺して増税を撤回した稲次家老は病に倒れた。度重なる不作、飢饉、人別銀。再び百姓に困難が降りかかるとき、怒りの矛先は甚八のいる大庄屋へ向けられた。時代のうねりの中で懸命に慈愛の心を貫こうとする青年医師の目を通して市井の人々を見た歴史大作。

時は奈良時代。藤原家の一族として生を享け、美しく光り輝くように成長した姿から、父・藤原不比等に光明子と名付けられた一人の少女がいた。成長とともに激しさを増す朝廷の権力争い、貧窮者の救済、仏教の広布、相次ぐ災害や疫病…数々の混迷を乗り越え、夫・聖武天皇を支え、国と民を照らす大仏の建立を目指す。時代を大きく動かし、国の礎を築いた光明皇后。その生涯が鮮やかに蘇る歴史長編。

南ドイツの小さな町。父親や教師の期待を一身に担ったハンス少年は、猛勉強の末、難関の神学校入試にパス。しかしその厳しい生活に耐えきれず、学業への情熱も失せ、脱走を企てる。「教育」という名の重圧に押しつぶされてゆく多感な少年の哀しい運命をたどる名作。

中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。

少年が解き明かそうとする姉の秘密、曼珠沙華が物語る夫の過去、製鏡所の娘が願う亡き人との再会…。「大切なものが喪われた、もう一つの世界」を生きる人々。それぞれの世界がやがて繋がり合い、強く美しい光で、彼らと読者を包み込む。生きることの真実を鮮やかに描き出すことに成功した、今までにない物語の形。ベストセラー『光媒の花』に連なり、著者の新しい挑戦が輝く連作小説。

「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」誕生日会をめぐる小さな事件。黒魔女のように恐ろしい担任との闘い。ぐれかかった中学時代。バイト料で買った苺のケーキ。こてんぱんにくだけちった高校での初恋…。どこにでもいる普通の少女、紀子。小学三年から高校三年までの九年間を、七十年代、八十年代のエッセンスをちりばめて描いたベストセラー。第一回本屋大賞第四位作品。

人気の本(14冊)

きっかけはパワハラだった!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下だった。そして役員会が下した不可解な人事。いったい二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライム・ノベル。

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。

この町には人殺しが住んでいる―。町の花はフクジュソウ。特産品は牛タンの味噌漬け。一九九四年の国勢調査によると人口は五八七一三人。その町の名前は杜王町。広瀬康一と漫画家・岸辺露伴は、ある日血まみれの猫と遭遇した。後をつけるうち、二人は死体を発見する。それが“本”をめぐる奇怪な事件のはじまりだった…。乙一が渾身の力で描いた『ジョジョの奇妙な冒険』、文庫で登場。

国民的漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の伝説的ノベライズ、ついに文庫化ッッッ!!!“組織”の新ボス、ジョルノに対する忠誠心を試されることになったフーゴ。かつてのボス、ディアボロとの対決を前に、仲間たちと袂を分かった彼に対して“組織”が求めた贖いとは、逃走中の裏切り者“麻薬チーム”の抹殺任務に就くことだった…。上遠野浩平が描く「一歩を踏み出すことができない者たち」の物語。

負けたのだ。「替天行道」と「盡忠報国」というふたつの志の激突だった。半年前の梁山泊戦。瀕死の状態の楊令に右腕を切り飛ばされた岳飛は、その敗戦から立ち直れずにいた。頭領を失った梁山泊は洪水のために全てが壊滅状態にあった。一方、金国では粘罕が病死した後、軍を掌握したのは兀朮。そして青蓮寺が力を失った南宋も混沌とした状態だった。十二世紀中国で、熱き血潮が滾る「岳飛伝」開幕!

北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。

沙漠の真っ只中に不時着した飛行士の前に、不思議な金髪の少年が現れ「ヒツジの絵を描いて…」とねだる。少年の話から彼の存在の神秘が次第に明らかになる。バラの花との諍いから住んでいた小惑星を去った王子さまはいくつもの星を巡った後、地球に降り立ったのだ。王子さまの語るエピソードには沙漠の地下に眠る水のように、命の源が隠されている。生きる意味を問いかける永遠の名作の新訳。

突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。二人のカリスマの間で蠢く、悦楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者の最長にして最高傑作。

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。

都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?いま幕が開く傑作新シリーズ。

ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。

化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。

麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。しかし挙式二週間前に突如破談になった。麻子は会社を辞め、ウエイトレスとして再び勤めはじめた。その店に「あの女」がやって来た…。この表題作「地下街の雨」はじめ「決して見えない」「ムクロバラ」「さよなら、キリハラさん」など七つの短篇。どの作品も都会の片隅で夢を信じて生きる人たちを描く、愛と幻想のストーリー。

殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!?刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短篇集。本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声も高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ―。大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾。

勇気がほしい本(11冊)

将軍家光は、長引く島原の乱鎮圧のため、老中松平伊豆守に討伐の命を下す。不穏な気配は江戸にも漂い、辻斬りが横行。藩内に和蘭陀商館を持つ平戸藩江戸家老は、幕府の疑念を逸らすため、斎弦ノ丞らを辻番に任命し、江戸の治安を護る忠誠心を見せようとする。だが、弦ノ丞は任務初日に剣戟に遭遇し、政争に巻き込まれていく…。藩の窮地を救うため奮闘する辻番達の活躍!書き下ろし時代小説。

資本力もバックもないままに、先見性と野武士的勇断を武器に数かずの試練を克服し、ついに日本でも指折りの旅行社を築きあげた男たちのあくなき執念と情熱を描く実録企業小説。(解説・尾崎秀樹)

学歴も経験も関係ない。すべての評価はどれだけ家を売ったかだけ。大学を卒業して松尾が入社したのは不動産会社。そこは、きついノルマとプレッシャー、過酷な歩合給、挨拶がわりの暴力が日常の世界だった…。物件案内のアポも取れず、当然家なんかちっとも売れない。ついに上司に「辞めてしまえ」と通告される。松尾の葛藤する姿が共感を呼んだ話題の青春小説。第36回すばる文学賞受賞作。

遠野の羚羊の片角には霊妙な伝説がある。慶長五年、根城南部氏当主直政の妻・祢々は片角の羚羊と出会う。直政と幼い嫡男・久松が立て続けに不審な死を遂げた直後から、叔父の三戸南部氏・利直の謀略が見え隠れしはじめた。次次とやってくる困難に祢々は機転と知恵だけで立ち向かう。「戦でいちばんたいせつなことは、やらないこと」を信条に波瀾万丈の一生を送った江戸時代唯一の女大名の一代記。河合隼雄物語賞(第三回)、歴史時代作家クラブ賞作品賞(第四回)、柴田錬三郎賞(第二十八回)、王様のブランチブックアワード2014大賞受賞作!!

二十三歳の夏帆は、弱小ブランドで働くファッションデザイナー。幼い頃から夢見てきた仕事だったが、どこか中途半端でもどかしい。気になる若手芸人との関係も思うようには進まない。そんな時、先輩に誘われ、新しい会社に移る。そこでパリコレの刺激を受け、一流のものを知ることで、いつしか自分の中の野心に気付く。仕事の成功も本物の愛も、自分で掴みとる!共感を呼んだ話題の長編小説。

あなたの旅、代行します!売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった―。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。

東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが―。当年とって七十三歳の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか良いコンビ。水路のある下町を舞台に老人パワーを炸裂させるふたりの、痛快で心温まる人情譚!

結婚式直前に突然婚約を解消されてしまった明日羽。失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したのは“ドリフターズ(やりたいこと)・リスト”の作成だった。自分はこれまで悔いなく過ごしてきたか。相手の意見やその場の空気に流されていなかっただろうか。自分の心を見つめ直すことで明日羽は少しずつ成長してゆく。自らの気持ちに正直に生きたいと願う全ての人々におくる感動の物語。

十九歳の里帆は男性とのセックスが辛い。自分の性に自信が持てない彼女は、第二次性徴をやり直そうと、男装をして知り合いの少なそうな自習室に通い始める。そこで出会ったのは、女であることに固執する三十一歳の椿と、生身の男性と寝ても実感が持てない知佳子だった。それぞれに悩みを抱える三人は、衝突しあいながらも、自らの性と生き方を模索していく。芥川賞作家が赤裸々に紡いだ話題作。

女性たちの憧れの街“パリ”。ずっとパリに行くことを夢見ていながら、臆病すぎて一度も海外に行ったことのなかったあゆこ。35歳になった彼女はある映画に惹かれ、ついに渡航の決意をかためる。年齢も境遇もさまざまな10人の女性たちが、パリへの想いを通して結び付き、やがて思わぬところで邂逅することに―。11の掌編が花束のように束ねられ、特別な旅へ導かれる、大人のおとぎ話。

時は慶長五年九月十五日。昨夜来の雨は上がれど、濃霧が立ちこめる関ヶ原。一大決戦の秋を迎えていた。未明、小早川秀秋の裏切りの気配を伝える密使が石田三成の下にやって来る。三成は裏切りに備え、万全を期す。一方、徳川家康は、豊臣恩顧の福島正則らの動向に不安を募らせる。東西両軍、命運を賭けた戦いの火蓋が切って落とされた!日本史上最大、関ヶ原の合戦。その長い一日を描く戦国巨編。

ゾクゾクしたい本(18冊)

盗作疑惑が持ち上がる中、美人イラストレーターsacraが失踪した。彼女の幼馴染みでライターの朝倉は、クラスメイトや恩人、恋人などsacraに関わってきた人々にインタビューすることで彼女の真実に迫ろうと考える。盗作、経歴詐称、結婚詐欺など、息をするように繰り返した嘘の果てに姿を消したsacraは今、どこで何をしているのか。そして、彼女が本当に欲しかったものとは―?

完全犯罪なんてカンタンさ! 1滴で致死量。体内に入って24時間後に効き目があらわれ検出不可能。そんな完全犯罪を約束する猛毒が手から手へと渡る…。オムニバス・ミステリー。(解説・氷室冴子)

日本を代表する名探偵の一人、明智小五郎がはじめて登場した「D坂の殺人事件」。退廃的な空気が漂う大正9年9月初旬、“私”はD坂にある白梅軒という喫茶点で明智小五郎と知り合った。偶然、向かいの古本屋で発生した殺人事件。二人は第一発見者となる。犯人は、明智小五郎なのか―「幽霊」「黒手組」「心理試験」「屋根裏の散歩者」も収録。事件発生順に並べた画期的なコレクション、全12巻刊行開始!

元傭兵部隊の兵士であった圭介は、いまは六本木の遊び人として享楽的で退屈な日々を送っている。だが、新作をめぐって脅迫されているという老作家のボディガードを友人から頼まれた夜から、そんな生活は一変した。友人が殺され、圭介は老作家をつけ狙うプロの殺し屋と闘うことになる。やがて「兵士」としての血が蘇り―。自らの誇りのために命を賭ける男たちを描く、傑作ハードボイルド。

時は江戸末期。絵師を目指す青年・八十八は、夜道で幽霊に出くわして以来、奇妙な行動を取るようになった姉を救うため、憑きもの落としの名人に会いに行く。肌が異様に白く、両眼を覆うように赤い布を巻いた男。名を、浮雲という。布の下に隠した赤い両眼で死者の魂が見えるという破天荒な浮雲と行動を共にするうち、八十八の前には新たな世界が見えてきた―。幕末ミステリー、堂々開幕!

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。本は墓のようなものだという主人が営む店の名は、書楼弔堂。古今東西の書物が集められたその店を、最後の浮世絵師月岡芳年や書生時代の泉鏡花など、迷える者たちが己のための一冊を求め“探書”に訪れる。変わりゆく時代の相克の中で本と人の繋がりを編み直す新シリーズ、第一弾!

脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。きっと施設送りにしようと企んでいるに違いない。そんなことはさせないと叫ぶが―「寝たきりの殺意」。豊胸手術に失敗した運の悪い女を描いた「シリコン」他、現役医師による背筋が凍るミステリー全6篇。

ロサンゼルスの日系企業で働く探偵のサム永岡は、一人の若者を探すように命じられた。国境に近い町で見つけた彼は、天使のような笑顔を見せながらいきなり発砲してきた―。人としての境界を越えた者と、そんな息子の罪を贖おうとする父親。ふたりにかかわった永岡もまた、内なるボーダーラインを見つめる…。重層的なテーマが響く傑作長篇。

元陸上自衛隊の新居見は3年前の南海トラフ大地震で妻と息子を失った。生き残った娘とは絶縁状態だ。ある日、この国が経験したこともないような巨大災害―富士山噴火が近いという情報を旧友の記者から得る。大地が震え、大量の噴石が降り注ぐ中、人々を待ち受ける運命とは。新居見は今度こそ、愛する人を救えるのか!?日本壊滅の危機を、そして父と娘の絆の再生を描く感動の災害エンタメ!

古い都の南、朽ちた楼門の袂で、男は笛を吹いていた。笛を吹いてさえいれば、男は幸せだった。ある春の夜、笛を吹く男の前に、黒い大きな影が立っていた。鬼だ。笛の音を気に入った鬼は、男に絶世の美女を与え、百日の間は絶対に触れてはならぬと告げるが…(「鬼の笛」)。人ならざるものを描くことで浮き上がる、人間の業や感情。民話や伝承をベースに紡がれた六編を収録した短編集。

母子家庭の幼い姉妹が自宅で殺害される。死体発見時から母親が行方不明の為、母親犯人説が浮上。日本新報甲府支局の南は、本社への栄転を懸け、特ダネを狙って精力的に事件情報を収集。警察のネタ元から犯人の情報を掴み、紙面のトップを飾る記事を書いた。だが、それは大誤報となって…。巧妙な罠に翻弄されながらも、新聞記者としての矜持と野心の狭間で真実を追う男の闘い。長編ミステリー。

夏、クラスメートの代わりにミステリーツアーに参加し、最悪の連続猟奇殺人を目の当たりにした『おれ』。最近、周囲で葬式が相次いでいる『僕』。―一見、接点のないように見える二人の少年の独白は、思いがけない点で結びつく…!!すべての始まりは、廃遊園地にただよう、幼女の霊の噂…?誰も想像しない驚愕のラストへ。二度読み必至、新感覚ミステリー!!

興信所を営む曽根崎栄治の前に、女子高生・民代が現れる。十九年前に突然姿を消した恋人・真弓が産んだ栄治の娘だと主張する彼女は、二人の人物を探して欲しいと依頼する。半信半疑ながら栄治が調査を進めるうち、民代は、調査対象者のどちらかが世間を騒がす残虐な連続監禁殺人事件の犯人だと言いだし…。この子は一体、何者なのか。犯人の正体は何なのか。ノンストップ恋愛ホラーサスペンス!

島で暮らす中学生の信之は、同級生の美花と付き合っている。ある日、島を大災害が襲い、信之と美花、幼なじみの輔、そして数人の大人だけが生き残る。島での最後の夜、信之は美花を守るため、ある罪を犯し、それは二人だけの秘密になった。それから二十年。妻子とともに暮らしている信之の前に輔が現れ、過去の事件の真相を仄めかす。信之は、美花を再び守ろうとするが―。渾身の長編小説。

一風変わった友人と祇園祭に出かけた「俺」は“宵山法度違反”を犯し、屈強な男たちに捕らわれてしまう。次々と現れる異形の者たちが崇める「宵山様」とは?(「宵山金魚」)目が覚めると、また宵山の朝。男はこの繰り返しから抜け出せるのか?(「宵山迷路」)祇園祭宵山の一日を舞台に不思議な事件が交錯する。幻想と現実が入り乱れる森見ワールドの真骨頂、万華鏡のように多彩な連作短篇集。

あなたは“その過去”を知っても友達でいられますか?埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。無口で陰のある鈴木だったが、同い年の二人は次第に打ち解けてゆく。しかし、あるとき益田は、鈴木が十四年前、連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた「黒蛇神事件」の犯人ではないかと疑惑を抱くようになり―。少年犯罪のその後を描いた、著者渾身の長編小説。

この不幸は、いつまで続くのだろうか―。平凡な結婚生活の先に待っていたのは、思いもよらぬ夫からの暴力だった。シェルターからステップハウス、DVの被害女性だけで運営される自然農園…。離婚を経て、居場所を変えながら少しずつ自立を果たそうとあがく可穂子に、元夫・雄二の執拗な追跡の手が迫ってくる…。現代の闇に恋愛小説の女王が切り込む、衝撃のノンストップサスペンス!

「あなたが天国へ行った瞬間を知ってたわ。だって真夜中にきたわよね、私の部屋に。ごめんねって泣きながら…」「兄弟、おれに黙って、なぜ先に逝った。バカヤロー!」親友の葬式で、勝手に死者との絆を強調する自己陶酔型の弔辞に嫌気がさした会社社長の本宮は、自分自身の生前葬を企画する。だが彼は知らなかった。妻の涼子が重い病に冒されて、余命幾ばくもないのを隠していることを…。

ヒントがほしい本(10冊)

「私はアメリカが嫌いです。私はアメリカが大好きです。そんな矛盾した気持ちに、どう折り合いをつければいいのか。そんなことを考えながら、この本を書きました」―ジャーナリスト池上彰が、自身あこがれと反発をいだく国、アメリカの歴史と現状を、独自の9つの視点からわかりやすく解説する。超大国アメリカを知るための教科書決定版。文庫化にあたり、「オバマ以降のアメリカ」を大幅加筆。

人生は行動であり、行動が思考を引き出す―。人生の達人が贈る、幸福になるための343の知恵。

チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる秘境があった。そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちのチャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。人跡未踏といわれる峡谷の初踏査へと旅立った著者が、命の危険も顧みずに挑んだ単独行の果てに目にした光景とは―。第8回開高健ノンフィクション賞、第42回大宅壮一ノンフィクション賞、第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞。

ストレスをためているから人の目が気になる。引け目があるから卑屈になる。そんな悪循環を断つ為にはまず明るい挨拶。笑顔にスイッチすれば、クヨクヨした気分がオフ、周りにいい空気が生まれる。失敗だって笑い飛ばせば引きずらない。人に思いやりを持てば心に余裕が生まれる。心のホコリを上手に払って、前向きな自分を取り戻すコツは?ポジティブ人生の達人・茂太先生のハート・クリーニング。

50代になった女性が、ある日、途方にくれる。「クローゼット一杯、こんなに服を持っているのに、似合う服がない!!」残りの人生を、納得のいかない服ですごしたくないなら、今こそ新しいルールが必要。体型も顔も経年変化をしているのを認め、昭和のおしゃれルールから抜け出すこと。いらない服を仕分け、買い物も真剣勝負…。50歳、いまが、リアルな自分を知り、新しいスタートを切る元年なのです。

“崩壊国家ソマリア”の中で奇跡的に平和を達成しているという謎の独立国ソマリランド。そこは“北斗の拳”か“ONE PIECE”か。それとも地上の“ラピュタ”なのか。真相を確かめるべく著者は世界で最も危険なエリアに飛び込んだ。覚醒植物に興奮し、海賊の見積りをとり、イスラム過激派に狙われながら、現代の秘境を探る衝撃のルポルタージュ。第35回講談社ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞作。

ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」、ダヴィッド「ナポレオンの戴冠式」、カラヴァッジョ「聖母の死」…よく知っているはずの見慣れた名画が、中野京子の導きでこれまでとはまた別の顔を見せ始める。描かれた人物のその後や作者の生い立ちを知って、絵画をもっと楽しもう!全68点、オールカラーで見どころを余すところなく解説。展示場所がひと目でわかる館内案内図付き。これ一冊でルーヴル丸分かり。

あなたは、「変わった人」と言われたことはありますか?ちょっと「変」には理由がある。周囲の空気が読めない、何度注意されても同じミスを繰り返してしまうなど10のケースを例に現役精神科医の著者が発達障害を徹底解説。「生きづらさ」を解消する第一歩は理解すること。自分は他人と違うかもしれないと悩むあなたへ。そして、身近にいる「変わった人」と、良好な関係を築きたいと願う人へ。

1990、91年と沖縄水産高校を甲子園準優勝へと導いた名将・栽弘義監督。常識を覆す独自の練習法と、暴力さえ厭わない苛烈な指導で、沖縄野球を全国レベルに押し上げた。大酒飲みで女好き、公私ともに豪放磊落な栽には敵も多かった。それでも、沖縄人の誇りとアイデンティティーを失わないために、生涯を野球に捧げた。成功の裏に隠された命を削るほどの重圧と孤独に迫る傑作ノンフィクション。

シャープで、鋭敏なことが優れていると世間では思われているが、本当にそうなのか!?医師としての経験や作家としての眼差しを通じて、些細なことで揺るがない「鈍さ」こそ、生きていく上で最も大切で、源になる才能だと説き明かす。恋愛関係、夫婦生活、子育て、職場、環境適応能力…。様々な局面で求められる鈍感力とは何か。先行き不透明な現代を生きぬくヒントが満載。ミリオンセラー、待望の文庫化。

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yossy(ヨッシー)
岐阜県なんちゃってブロガー
岐阜県美濃加茂市在住の田舎人(♂)。
好きなことはギター・音楽・カフェ・グルメ巡りです。
2015年2月から自分への備忘録・雑記としてこのブログを始めました。
普段の日常生活で起きたこと、感じたこと、思ったことを気まぐれに不定期更新で書いてます。
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