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本レビュー『1Q84』村上春樹(著)

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超遅ればせながら、村上春樹さんの『1Q84』の単行本6冊(BOOK1 前後編/BOOK2 前後編/BOOK3 前後編)を読んだので、今回はその感想でも。
ネタバレ含むのであしからずで(^_^.)

目次

1Q84を読むきっかけ

1Q84/村上春樹

実は村上春樹さんの小説を読むのは今回の”1Q84”がお初でした。
小説を好んで読むようになったのが去年(2015年)ぐらいからなので小説読書歴はまだ全然浅いんですが、さすがにこの村上春樹さんの名前だけはそれ以前からよく耳にしていて。
てか、毎回ノーベル賞の時期になると候補者リストに名前が挙がって、「今年こそは?!」みたいな特集されるほど日本の現在の小説家の中で最も著名な作家さんのお1人なんだろうなって思うわけですけども。

で、今回読んだ1Q84も発売当時から大ベストセラーで話題になっていたので、本のタイトルだけは知ってました。
で、先日本屋さんに行った時にこの1Q84を見かけて、『そういえば村上春樹さんの小説ってどんな感じなんだろう』とふと興味を持って、とりあえず6冊あるうちの最初のBOOK1の前編・後編の2冊を購入したのが、この1Q84を読んだきっかけです。
あまり面白くなかったら、続きは買って読むのは止めとこうと思っていました。
結局、読み始めたらおもしろくて、残りの4冊も購入して、2週間ぐらいで合計6冊完読したわけですけども。

1Q84の感想

で、1Q84のあらすじについて。
1Q84では、青豆(女性)と天吾(男性)という2人が主人公がいて、本の章ごとにそれぞれのストーリーが入れ替わりで登場し、同時進行で別々に進んでいくというストーリー展開で話が進んでいきます。
最初はなんでこんな別人物のストーリーが交互に繰り返されるのかな?って思っていたんですが、徐々に話が進むにつれて、お互いのストーリーが関係して重なりあって徐々に近づいていき、最後には一本に繋がるという感じですね。
「あ~、こういうストーリー展開もあるんだ」って思いましたね。自分にとってはとても斬新でした。

1984年の日本という時代設定の話ですが、日本の社会的なリアルな背景はそのままに、でもリアルではありえないようなファンタジー要素も加わって、仮想と現実が入り混じった世界で話が進むので、本を読みながら自分自身もなんかフワフワした状態になって読み進めていく感覚で。

青豆が言うように、1984年という電車のレールを進んでいたのに、あるポイントでレールの行き先が変わってしまったと。
そして彼女はその時代を1Q84年と命名したわけですが。天吾の言葉で言うなら、猫の町に迷い込んだ、と。
1984年と1Q84年の区別は夜空に浮かぶ月が1つなのか、2つなのかということ。
最終的に、1Q84年に迷い込んだ入り口(首都高の非常階段)を知っていた青豆は、そこを天吾と共に逆に出入りすることで、元の1984年に戻ることができるわけですけども。

敵対する組織、宗教団体の”さきがけ”、そして”さきがけ”の信者が崇める”リトルピープル”という形なき神的な存在。
青豆が柳屋敷の老婦人とタッグを組んで、女性をDVする性質の悪い男たちを暗殺するようになった経緯。
”空気さなぎ”から生まれるドウタ。そしてドウタとマザの関係。レシヴァとパシヴァとして役割。
などなど。。

1Q84には暗示的な事だったり、途中で出てきた話の伏線が最終的に回収されてない部分もあったりするので、読み終わった後に『あれはどういう意味だったんだろう?』って考えさせられます。というか2日前に完読したばかりなので、今もたまに考えます(笑)

今まで自分が読んできたほとんどの小説って、読み終えたら「~~は~~だ。」っていう作者が言いたいテーマを具体的に理解できたり、自分ではこの小説はこういう風に解釈できるな、っていうような明快な回答が得られるものが多かったんですね。
ただ、この1Q84に関しては読み終えた後に、「あれはどういう意味だったんだろう」「逆にあの人物があの発言を言った意味は?あの人物はそもそも何だったんだろう?はその後どうなったの?」などなど、疑問が頭の中にいろいろ浮かんでくるんです。

あくまで作者は「~~は~~だ。」という答えの提示ではなくて、読者に「あなたは~~についてどう思う?」という疑問を提示していて、その答えは自分で考えて見つけてね、って言ってような気がしました。
というわけで、本当に不思議な読後感を味わってます(笑)
それはマイナスでもプラスでもないし、ネガティブでもポジティブでもない、ゼロ・中立・中性的な感覚。
てか、これが村上ワールドなのかもしれませんな。。
1Q84を読むと、同じく1Q84を読んだ読者の人に「あなたはどう思った?ここどう感じた?僕はこう思うんだけど・・」なんて話をしたくなりますね。
ただ結構、性描写の表現が結構エグイので、そこは話題にしづらいかもですけどね(苦笑)

あと小説内の文章・登場人物のセリフとかで、強烈に印象的に残る言葉が多いです。

「チェーホフがこう言っている。物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない、と」「物語の中に、必然性のない小道具は持ち出すなということだよ」
「説明しなくてはそれがわからんというのは、つまり、どれだけ説明してもわからんということだ」
『冷たくても、冷たくなくても、神はここにいる』

↑たとえばこんな感じのとか。何かハッとするというか、心に突き刺さるというかね。
何か文章を書いたり、アウトプットの作業をする人には、1Q84もとい、村上春樹さんの文章って何らかでインスパイアされたり参考になる点が多いような気がしますね。
あとこの1Q84にはクラシック音楽の話だったり古典小説の引用みたいのが出てくるんですけど、村上さんがそれらにめちゃくちゃ造詣が深いのも垣間見れますね。僕には馬耳東風状態でしたが(苦笑)

ともかく、1Q84は文庫で6冊、合計2157ページの大作ですけど、めっちゃ面白かったですね♪
早く次のページが読みたい一心でページをめくっていたら、いつの間にか読み終わっていた感覚です。
今回の1Q84は個人的にすごい面白かったので、村上春樹さんの他の作品(『ノルウェイの森』『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』とか)もそのうち読んでみようかな(^_^.)

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yossy(ヨッシー)
岐阜県なんちゃってブロガー
岐阜県美濃加茂市在住の田舎人(♂)。
好きなことはギター・音楽・カフェ・グルメ巡りです。
2015年2月から自分への備忘録・雑記としてこのブログを始めました。
普段の日常生活で起きたこと、感じたこと、思ったことを気まぐれに不定期更新で書いてます。
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