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漫画レビュー|かくかくしかじか(全5巻)/東村 アキコ

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先日友人とお茶をしながら絵を書く事について聞いていたら、”絵”についてのおすすめ漫画として教えてもらったのがこの『かくかくしかじか(全5巻)/東村 アキコ』でした。
全5巻ということで、さらっと読めそうだし、作者の東村さんの軽くてポップな絵のテイストも良いなぁと思って、早速、近所の本屋さんの漫画レンタルで漫画をレンタルして一気に読破しました。
というわけで、今回は『かくかくしかじかの』の漫画レビューでも書こうかなと。
ちょいとネタバレ注意報なのであしからず(^_^.)

目次

かくかくしかじか(全5巻)/東村 アキコ

漫画の概要・あらすじ

最初に漫画の感想を率直に云いますと、めちゃくちゃ面白かったです。久しぶりのスマッシュヒット、いやホームランというか。
漫画の概要・あらすじはというと、この『かくかくしかじか』の漫画の作者・東村さん自身が高校時代に美大入試を目標に入った絵画教室の日高先生との出会いから、高校卒業して大学、社会人になってからも続く先生とのエピソードを回想録のような形で思い出して描いたノンフィクション漫画です。
そもそもフィクションの話が多い漫画で、ノンフィクションのリアルな漫画家自身の実話というのが、まず珍しくて斬新というか。。
”私(東村さん自身)”が高校→美大→OL→漫画家という時間の経過とともにライフステージが変化していく中でも、恩師である日高先生が常に”私”に何らかの影響を及ぼし続けていきます。それは先生の死後においても。

恩師・日高先生について

まず漫画を読み終えて強く思うのは、この主人公”私”の恩師・日高先生について。
というか、日高先生自身がもう一人の主人公と言ってもいいぐらいの存在感ですけどもね。

今だったら体罰や何やらで問題になりそうそスパルタ教育指導法の日高先生ですが、本当に裏表がない正直すぎる先生で、生徒への愛情で溢れているし、何より純粋に絵を愛し、死の直前まで絵を書き続ける生き様がカッコ良いです。
レッスン時間的に全く割に合わない月謝で何人・何十人もの生徒を日々指導していたのも、決してお金目的ではなく、純粋に生徒に絵がうまくなって欲しい、生徒の希望である美大受験に成功してほしい、絵を書きたい全ての人を応援したい、という心からの行動なわけで。

先生と言っても学校の先生、習い事の先生、というように先生にもいろいろありますが、日高先生ほどに熱い想いで何かを生徒に教えている人って多分ほとんどいないんじゃないかなぁと。

”私”が選択して、絵画ではなく漫画を描くことに決めて、先生が”絵画”を描き続けたのと同じように、私が今も”漫画”を描き続けられるのも、先生からの技術的な指導うんぬんではなく、先生の生き様・生き方、何よりどんな時でも”描き続ける”という姿勢を背中を見て学んだからなんだろうなとも思いました。

人との出会いが、自分を変える、人生が変わる、は本当の事なのだなと実感します。

”もしこんな先生が身近にいて一緒に時間を過ごしていたら、今の”私”のように、どんなに辛い時でも自分のこれだと思う何かをずっと続けられる強さが備わる人間になれたのだろうか?”
そんな風に、万時全てが3日坊主で継続性に難のある自分は思いました(笑)

普通に、こんな素晴らしい先生に現実の世界で出会えた”私”は羨ましいなぁとも思いましたし。

でも後半部にこんなセリフ↓がありましたけど、それも真実なのかもしれません。
「先生みたいな人いないよ 私、今年もう40歳だけど 会った事ないよ こんな人」
自分の人生に深い影響をもたらす出会いってそうそうありませんしね。
でも自分のアンテナがしょぼくて、会っているのにそれに気付かないとしたら、それは大問題です。
アンテナ感度は高くして、時には新しいことにチャレンジして新しい出会いを自分から作ってみる事も意外に大切なのかもしれないなと。。

共感ポイントが多い

このかくかくしかじを読んでいて、この主人公の”私”の言動・心理描写が共感ポイントが多すぎました。てか、こんなに共感できる漫画も珍しいな、と。

自己過信気味の高校時代の”私”は、日高先生のスパルタ指導のもと、どうにか美大に入学するも、美大入学後に日高先生のもとを離れてから、すっかり絵を書くモチベーションを失って遊びほうけて堕落した美大時代。
社会人になってから、大学時代になんて時間を無駄に浪費したのだろう、と後悔する場面。
”私”が波風立たせないようにその場を逃げるためだけのウソを言ってしまったり、あらゆる”私”の言動・行動パターンを見ていると、ひどい最低な奴だな~!と怒れてしまう反面、自分も若い時ってこういう風だったなぁなんて思って(今もそうだろうという突っ込みは全力で既読スルーで(>_<))、若い時の自分自身を見ているようでいちいち自己投影してしまうというか、共感してしまう点が多くて、なんか胸が痛むわけですよ、本当に。
読んでいて、これほど漫画の主人公に自分自身をシンクロさせてしまう漫画って一体?!って思いました。

コミカル要素が満載

『かくかくしかじか』には切なかったり感動してしまうような要素が多々ありますが、それと同じくらいコミカルなお笑い要素も強いです。
作者・東村さんの軽いポップな画風と、センスのあるお笑いエピソード・セリフがおもしろいです。
特に美大が浪人生が多い本当の理由や、美大の学科別(油絵科・彫刻家etc)による脳内お花畑度の分類は秀逸すぎます(笑)
そもそもノンフィクションの実話だけあって、絵・美大・漫画家についてのリアルな現場の事情が知れて、その点でも興味深かったですね。

てか、ど素人の自分は絵を書くという行為をちょっと舐めすぎていたなぁと、かなり反省しました。
ちなみにyossyは来月から始まる市の初心者向け水彩画教室を3カ月程度、受講する事にしました。
前から少し、絵を書く事に興味はあったんですが、ずーーーーーっと、ぼんやり思っているだけで行動してなかったので、とりあえず一回やってみようかなと。
続くかどうかを神のみぞの世界ですが。
もちろん水彩画教室の先生は漫画の日高先生みたいな怖い人じゃなくて、優しい人がいいですね(笑)
まぁそういうオチで(^_^.)

東村アキコさんの漫画作品

東村アキコさんの作品はこの『かくかくしかじか』が初めて読んだ作品でしたが、とても面白かったので、他にも、たくさんの連載&連載終了済みの漫画があるようなので、これから他の作品も読み漁ってみたいなぁと思います。
良き漫画との出会いに感謝×2(^_^.)

>>漫画家・東村アキコさんの作品一覧

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yossy(ヨッシー)
岐阜県なんちゃってブロガー
岐阜県美濃加茂市在住の田舎人(♂)。
好きなことはギター・音楽・カフェ・グルメ巡りです。
2015年2月から自分への備忘録・雑記としてこのブログを始めました。
普段の日常生活で起きたこと、感じたこと、思ったことを気まぐれに不定期更新で書いてます。
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